グローバル社会を生きる~古教心を照らす、心古教を照らす~論語005

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皆さんこんにちは!

 Time is the scarcest resource and unless it is managed nothing else can be managed.
時間は最も乏しい資源であり、それが管理できなければ他の何事も管理することはできない。
ピーター・ドラッカー(Peter Drucker, 経営学者)

当シリーズは、グローバル社会にどう生きるかを、歴史の重みに耐えて今なおその普遍性を有する古典を紐解くことにより得ていく。

古典は、洋の東西ありますが、まずは「論語」をシリーズとして取り上げ、今日は、その第5回。

論語爲政第二の一に、次の章句がある。

この箇所の素読音声は、下記再生してお聴き下さい。

意味は、先生(孔子)は、いわれた、「政治をするのに徳によって統治するということは、北極星のように自分自身ではじっとしていて動かないが、全ての星はこれを中心に整然と動くのと同様である。」

もう少しわかりやすく述べれば、徳をもって政治を行えば、北極星を中心に星が集まるように、市民・国民がその人柄を慕って集まってくると言うことである。経営にも同様なことが言えることで、自然と有能な人材(財)が集まってくる。

為政者や経営者に必要不可欠な資質で重要なものは、この「徳」があるかどうかということを教えている。自分の立場を守るためやその地位にしがみつくため、目先の利益に目を奪われ周囲を犠牲にしたりすることは、最初はうまくいっても必ず失敗する。

政治家や経営者の中には、法律には抵触していないから問題ないと発言する人がいる。しかし、法律に抵触しないからそれでいいのかという問題が残る。法律は、人間がその社会で最低限必要なルールである。その法律の前に、「徳」というものが存在する。

政治でも事業経営でもその根本に必要不可欠なのは、徳である。それは、トップのみならず全ての人に言えることである。「徳」、言い換えれば「人徳」であるがこれは、すべての基礎、土台になるものである。家やビルもその基礎がしっかりしていなければ、どんなにその上に立派な建造物を造ってもいずれ崩壊する事になる。

優れた能力を持ちながら、周囲から慕われていないという人がいる。それは、なぜか。人徳に問題があるからである。一人の能力には限りがあるが、その一人一人が徳を持つ人の所に集まれば、偉大な能力を発揮する事が多々ある。

徳の高い人、徳の高い組織には、人が集まり繁栄することになる。それは、個人の場合には良い家風として、企業の場合には良い社風として呼ばれ慕われる。様々な能力を磨くことも大切であるが、それ以上に徳を磨くことをしたいものである。

徳を磨くには、どうしたらいいのかの一助になるのは、歴史の重みに絶えた教えを説いた書物や歴史に学ぶことを実感として思う。

歴史の重みに耐えた古典には、現代に活きる教えがある。

連載続く

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