皆さんこんにちは!
今日は、一人の女性の生き方から人生をみていきたいと思う。
人生の師父 安岡正篤先生が著した『百朝集』という個人の詩歌、文章を100厳選して解説を加えたコンパクト本(縦15センチ×横11センチ×厚さ1センチ)がある。
2002年当時、私たち夫婦は、これを素読しながら人生の糧としていた。難しい内容の箇所もあったが、実にどの箇所も心に響き、勇気づけられる内容であった。
『百朝集』五六 六知の項には、亡き妻の書き込みがある。まずは、その項の内容を紹介しよう。
正座して然る後平日の気浮けるを知る。黙を守りて然る後平日の言躁がしきを知る。事を省いて然る後
平日の心忙しきを知る。戸を閉ざして然る後平日の交濫りなるを知る。欲を寡うして然る後平日の病多きを知る。情に近づきて然る後平日の念、刻なるを知る。
金蘭生(格言聯壁)
(注)
浮:う
躁:さわ(がしき)
濫:みだ(り)
現代社会は、様々な情報にアクセスでき知識として蓄えることができる。しかし、私達は、とかく内心を知ることを忘れる。
私達は、このように時々内心を見つめ反省し正していくことが健全な心身を維持し社会生活を営むために必要であるということを先人の残した言葉や身近な人の生き方から教えられる。
人生には様々な出来事がある。その出来事をその⼈⾃⾝がどのように受け止めて、その出来事から何を学び、どの様な気付きやメッセージを得て、前向きに歩んでゆくかである。
亡き妻は、2001年に婦人科系の大きな手術(左卵巣摘出)をし、2002年1月に子宮癌の診断を受けた。同年3月に準広汎子宮全摘、内膜症による癒着があり、手術中に尿管完全断裂あって、カテーテルを挿入、同年4月に放射線療法(1.8×25回:45Gy)という状況であった。そして、2003年4月末に腎盂腎炎による発熱のため入院。
その入院中に読んでいた『百朝集』に書き込みがある。2003.10.17の書き込みである。
「(真実の自己との生活)・・・内省し、自己をコントロールしていく生活。40をすぎ、答えは自己の中にありと思うこと多し。外に求めた20~30代。癌になり肩肘張らずに自然体で気負わずに、心穏やかに全てを受け入れ、信じて祈る日々。」
亡き妻は、教えてくれている。
「魂を磨く・・・病気になって特に魂は磨かれ、光り輝いていのちのバトンとして手渡された。どんなに苦しくても、悲しくても『生きる』という決断をすることの大切さ。」を。
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