グローバル社会を生きる~古教心を照らす、心古教を照らす~論語006

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皆さんこんにちは!

当シリーズは、グローバル社会にどう生きるかを、歴史の重みに耐えて今なおその普遍性を有する古典を紐解くことにより得ていく。

古典は、洋の東西あるが、まずは「論語」をシリーズとして取り上げ、今日は、その第6回。

論語顏淵第十二の十六に、次の章句がある。

この箇所の素読音声は、下記再生してお聴き下さい。

意味は、先生(孔子)は、いわれた、「君子は他人の美点(よいところ)を育てるように力を尽くし、悪いところはそれを成り立たせないようにする。小人は、その反対だ。」

君子:徳の高い立派な人
小人:徳のない知識だけの人

もう少しわかりやすく述べれば、学識があり徳の高い人は、他人のよいところに注目し、それを褒めて育てる。悪いところはそれをさせないようにする。しかし、徳のない単なる知識だけの人は人の悪いところを助長し、よいことを妨げる。

企業、組織のリーダーについて言及すると、リーダーは、部下のそれぞれのよいところを褒め称えてさらに伸ばし、悪いところはそれが成り立たせないようにして育成指導していくのが真のリーダーであり、そうでないリーダーは、悪い点のみに目を向けて叱り飛ばすが、これは逆効果になるということである。

人は兎角、他人の欠点や悪いところは目につき、気になる。そして、どうしてもその欠点や悪い点に不満やイライラがつのり我慢できなくなる。他人のよいところに目を向けることによってその人との人間関係もよくなるし、組織であればその素晴らしい集団として機能していく。

邪悪な心や行為を忠告して成り立たせないようにし、その悪を消滅させるようにしていくことは大変重要である。これには、相当の勇気、度量、根気が必要である。

企業の不祥事がメディアで報道されることがある。そのどれもが、悪が善にかってしまった結果であろう。本人もそして周囲も美点には目をつぶり、悪を断つ勇気を持てなくなり不祥事を起こしてしまうのである。

欠点や悪事に目をつぶって見ないという選択肢もあるが、これは正しい選択の方法ではないと思う。その欠点や悪事を放置した結果、会社が傾き取り返しのつかない状況に陥ることもある。

美点に目を向け伸ばし育て、悪いところをやめる、やめさせる勇気と行動を持ちたいものである。

そのような勇気と行動力を養うためにも、歴史の重みに絶えた教えを説いた書物や歴史に学ぶことだと思う。

歴史の重みに耐えた古典には、現代に活きる教えがある。

連載続く

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