皆さんこんにちは!
今日は、「こころを見つめる~古典に学ぶ~」。
私達は、何かと多忙な日々を送る中で自己を見つめる時間を失ってはいないだろうか。自己を見つめる時間を持つことは、自分の生き方は本当にこれで良いのか、人への接し方はこれで良いのか等、自分のこころを見つめて反省をする一時である。
そのような時空に身を置くことによって、心身ともにリフレッシュして、何でも受け入れるこころ、姿勢になり、創造力や新しい生命の活力が湧いてくる。
グラスにフルに水があったら、水を灌いだら溢れる。グラスの水が空であったら、新しい水をグラスは、受け入れる。まさしく、こころを見つめるとはそういうことである。
日常生活の中で、一時でもそのような時間を持つことは私たちとって明日へのエネルギーになっていく。
中国の古典、「菜根譚」という本がある。NHKの名著を紹介する番組で取り上げられることもあたり、良く話題に上る本でもある。
「菜根譚」は、江戸時代以降、松下電器産業(現 パナソニック)創業者 松下幸之助、読売巨人軍選手・監督 川上哲治、など名経営者や各界のリーダーがこぞって愛読書に挙げる1冊である。
その「菜根譚」の中に次のことが書かれている。
- 静かな場所で、考えが澄み切っていると、心の本当のあり方を知ることが出来る。
- 閑な時に、気持ちがゆったりと落ち着いていると、心の本当の働きを知ることが出来る。
- あっさりとして心にわだかまりがなく穏やかであると、心の本当の味わいが得られる。
心の鏡に写して自分の本心を見極め、真実で偽りのない姿を悟るのは、この三つの方法に及ぶものはない。
このような時間と場所を日常生活の中でどのように持つのか。
私は、次のようにして時間と場所を確保している。
早朝、朝3時や4時に、このことに限らず時間を確保することが習慣になっている。「朝こそすべて」というくらい朝、早朝はいい時間帯である。静寂の時間でもある。場所は、自分の書斎やリビングなどで。また、アロマを焚くときもある。照明にも工夫を凝らすこともある。
前述の3つを実行してこころを見つめる。実行した後は、清々しさと生命の躍動感を感じる。
しかし、時に他に心を奪われてこのひと時を持つことをせずにいると心が乱れる。そこから抜け出すのに時間を要する。
日々、鍛錬である。
先日、久しぶりに会った友人があることで苦悩していることを話してくれた。前述のことを話したらすぐに実行したとのこと。その結果、「清々しさと生命の躍動感を感じた、前向きに歩む決心がついた」と今朝連絡が入った。
是非、皆さんにも実行してみていただきたい。
下記に、「菜根譚」の読み下し文を書いておく。
静中の念慮澄徹ならば、心の真体を見る。閑中の気象従容ならば、心の真機を識る。淡中の意趣沖夷ならば、心の真味を得。心を観じ、道を証するは、此の三者に如くは無し。
読み:せいちゅうのねんりょちょうてつならば、こころのしんたいをみる。かんちゅうのきしょうしようようならば、こころのしんきをしる。たんちゅうのいしゅちゆういならば、こころのしんみをう。こころをかんじ、みちをしょうするは、このさんしゃにしくはなし。
菜根譚(洪自誠著、中村璋八、石川力山訳、講談社)
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