皆さんこんにちは!
人間の一生には、様々な出来事がある。楽しいことや嬉しいことがある反面、悩み苦しまなければならない時、言葉を換えれば逆境がある。
そんなとき、その悩み苦しみ、逆境を周囲のせいにしてそこから逃げ出すのか、それとも深く自己を省みるつまり内省し根本の原因は自分にありとするのかによって、その後の人生が大きく異なったものになる。
大きな逆境は、人を大きくする。それは、大きな逆境であればあるほどその逆境は大きな意味合いを持ち大きな教訓とチャンスがあることを明示しているからである。この大きな試練は、それを受けた人の忍耐力と前向きな姿勢が必要である。
この大きな試練の大きさに流されず自らを奮い立たせることが大輪を咲かせることに繋がる。
私自身の人生を振りかえても山あり谷ありである。伴侶との死別(がん)。外資系企業での部下の責任をとっての辞職・退職。2008年当時アメリカIT企業日本法人の社長をしていたときリーマンショックが起きた。
全世界的にIT投資が凍結されていく中で、そのアメリカ企業もグローバルで経営が難しくなっていく状況で、アメリカ本社ではグローバルにエグゼクティブのリストラを決断。日本法人も例外ではなく、私も退職。
リーマンショックが起きてからは、経済がどんどん悪化して、求人にあたるもなかなか思うような仕事が見つからずの状況がつづき何とか食いつないで2010年9月にオランダ企業の日本法人でCFOの職に就いた。
このような状況を、支えてくれたのは周囲の人々のお陰もある。また、心の支えは、歴史に耐えた先人の教えでもあった。その教えをここに紹介する。
「天の将に大任を是の人に降さんとするや、必ず先ず其の心志を苦しめ、其の筋骨を労せしめ、其の体膚を餓えしめ、其の身を空乏にし、行なうこと其の為さんとする所に払乱せしむ。心を動かし性を忍ばせ、其の能くせざる所を曽益せしむる所以なり。」
孟子、告子章句下
「てんのまさにたいにんをこのひとにくださんとするや、かならずまずそのしんしをくるしめ、そのきんこつをろうせしめ、そのたいをうえしめ、そのみをくぼうにし、おこなうことそのなさんとするところにふつらんせしむ。こころをうごかし、せいをしのばせ、そのよくせざるところをぞうえきせしむるゆえんなり。」
もうし、こくししょうくげ
意味は、「天がある人に大任を授けようとするときには、必ずまずその人の心志(志、意志、心身)を苦しめ、その窮乏の窮地におき、なにを行っても、すべてその人のなす事全てにおいて逆行するような不如意(思い通りにならないこと)をわざわざ与えて試練する。これは、天がその人の心を発憤させ、辛抱強くさせ、今までにできなかったこともできるようにするための貴重な試練である。」ということである。
あらゆる世界で大を成した人たちは、逆境に耐え、その逆境に果敢に挑んだ人たちである。大きな困難であればあるほどチャンスは大きいと先人は教えている。
逆境の悩み苦しみから一時的に逃げ出せたとしても何も解決はしないし、進歩発展もない。一方、その時静かに自己を深く省みる時間をもつならば新たな新天地が拓けてくる。深く自己を省みるからこそ根本の原因は自己にありの考えに至り、腹の底から新しい考えや思想の花が咲き、勇気が湧き、人生に対する真摯な姿勢が生まれてくるのである。それは、具体的行動と化して、その後の人生に大きなプラスの影響を与える。
天に与えられた試練は決して無駄ではない。それをどう生かすかである。それは、自分自身なのである。
ご感想、お問い合せ、ご要望等ありましたら下記フォームでお願いいたします。